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それからの数日は、寂しさを紛らわすためだけに仕事をした。とにかく、一日中忙しくしているだけでも余計なことを考えなくて済む。学生時代の自分が街灯もろくについてないような田舎道を自転車で駆け下りていたように、何も考えずにすむまで一日中働いた。
それでも、家に帰れば寂寞とした感情が彼女の心を不安定にさせた。彼の家に行けば一時のそうした空しさをなんとか埋めることができても、腕の中に抱かれているふとした瞬間にどうしようもなく切なく、泣きたいような気分に駆られるのだった。それは、菜々美が初めて気づいた気持ち、あるいはこれまで気づこうとしなかった気持ちだった。漫然と過ぎていく日常の中に押し殺したはずの気持ちだった。
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