青き日の夢

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「昔は青いバラって生み出すのが不可能だって言われてたんだって。だから花言葉も、“不可能”だった。でも研究を続けてさ、ようやく青いバラを生み出したんだってさ。だから、夢かなう」 「へーそうなんだ……」 「エンタメアワードはね、夢を叶えた人たちが受賞する、夢を与える人たちが受賞するって意味で、青いバラの胸章を配ってるんだってさ。俺の夢って何だったんだろう?」 くるくるとバラを回し、悠は涼子を見つめなおした。 「いくら青いバラって言ったって、これは着色で青くしたバラだろ?だとしたらこれは偽物ってことになるのかな。俺の夢も……今立ってる場所も。偽物なのかもな」 乾いた笑いを浮かべた悠に向かって涼子は 「そんなことない!」 と語気を荒げた。 「今悠が立っている場所は武道館じゃないけど……。たくさんの人に力や夢を与えてるのは事実だよ」 「……たまに分からなくなるんだよね。自分が何を目指してるのか」 「私なんて年がら年中分からないよ?何しても全然売れないし、ずっと迷走してるし。一番大切な人さえ見失って……」 はっとして黙り込んだ涼子を悠は見つめなおした。 「大切な人?あぁ……元カレ?引きずってるんだ」
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