青き日の夢

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沈黙が走り、車内は瞬く間に静かになった。おもむろに悠がラジオをかけると、聞きなれた曲が流れてきた。今年一番流行った曲だ。 「これ悠のドラマの主題歌だった曲だね」 「うん。すげーよな、こんな曲書けるなんて。大ヒットだったし」 「もちろん曲もすごいけどドラマの人気もあるよ。悠のおかげでもあるね!」 「良いよ、そんなに無理して持ち上げなくて」 「持ち上げてなんかないよ。本当にそう思ってる」 「そう……」 再び静かになった車内で、曲のサビが力強く鳴り響いた。 ぼんやりと窓の外を見つめ、涼子はため息をついた。 もう二度と、あの頃には戻れないんだ。 分かりきっていた現実をつきつけられたような気分だった。 「ねぇ、悠。やっぱりローストビーフはいいや」 「えっ?」 車のスピードが少し緩やかになった。 「それより行きたい場所がある。そこに連れてってもらって良い?」 涼子の言葉に悠は眉をひそめたが、小さくうなずいた。
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