第五夜 節気の夢

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「マスター。故郷はY梨のK府でしたよね 国へは。。。」と語部氏言えば カウンター内にて 語部氏注文の掛け蕎麦をちゃっちゃと 作っては「そうですねぇ かれこれ10年は戻ってません ええ 戻っても親もいないし知り合いも いないしねぇ 語部さんも国へは。。。」 カウンター席 定位置奥で ジンライムをやりながら「I手県のT野 まぁうちも両親亡くなってるしねぇ まぁ知り合いがいるから たまに戻ってますがねぇ お互いに こうして夢幻で年越しするの何年前からですかねぇ ははは」 と そこへ 扉を開けて 小柄な大学生が店内へ 「マスター 僕も帰省できずに 来ちゃいました(笑) ぁ語部さん こんばんは 僕もその年越しそばください あとカシスソーダ一杯お願いします 」 「長沼くん バイトで残らされた口ですかお疲れ様 語部さんと同じく掛け蕎麦でいいんだね 」と 若い大学生に答えるマスター 「バイトですか 何してるんです?」 「警備員です 当務。今朝10時に24時間勤務明けてアパートでさっきまで寝ちゃってまして なんか食わなきゃってここやってるって思い出してきちゃいましたぁ アハハ」 明るく答える 大学生  「長沼くんは駅ビルの警備やってんですよね あれ夜勤だけだと聞いてたけど」 「アハハ 僕ちょっと金欲しくて年末年始は24時間勤務してますよ あぁ 明日 元日はスケジュール上休みだったから 一杯です アハハ」
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