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「あっそう言えば こないだ駅ビルの屋上でなんか出たって話 先輩から聴きましたよ」
その長沼くんの一言に語部氏 大いに反応して「ほぉ 師走だからねえ 今夜と言うか年越しにもいろいろ出るって話聞くからねぇ っで駅ビルの屋上って確かお稲荷さん祀ってあったよねえ うむ眷族ですかね？」
マスターもカシスオレンジを出しつつ「へぇ お稲荷さんなんかあったんだ 知らなかったなぁ 」
「はいビル建った頃からずっとお祀りしてるって聞いてます そうそうこないだ出たってのはキツネとかではなくて なんでも 影みたいなのがでかくなっていったとか先輩言ってました そんなの聴いちゃうと 夜中巡回怖くなっちゃいますよぉ」
「うむ大入道系か伸び上がりか？ まぁでも そう言うの見かけたら 見越したぞって言って 見下ろせば 消えてなくなるから 大した害意はないと思うよ」
「はぁ ありがとうございます 見越したぞっですね 覚えておきますね。」
「そうそう お稲荷さんって言えば 王子では大晦日 関東中のキツネが集まって来るって話もありますねえ 語部さん 以前あなたが話してくれましたねえ」
「そうそう あそこではキツネたちの位を決める大事な日だとか うむ それは置いといて 年越しとか季節の変わり目とかはいろいろ出現しやすいって話しましょうか ああ別にこれは ジン(お代)はいただきません(笑)」
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