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 部屋に入っても紫は相変わらずで、俺のことを放置して風呂場に直行する。乱暴に置いた鞄から、飲みかけのペットボトルが転がり出て、それを一気に飲み干す。それから、引き出しの中から紫のルームウェアを出して、脱衣所に置いておく。  何度も裸なんて見てるけど、一緒に風呂は入らせてくれない。一緒に入っちゃったほうがすぐできていいのに。前にそう言ったら、彼女ができたらそんなこと言っちゃダメだからねって怒られたっけ。なんでダメなのかよくわかんなかったけど。 「ちょっと、石崎くん。こんなとこで寝たらまた風邪ひくよ」  床に倒れこんだらそのまま寝ていたらしい。俺が用意したルームウェアを着て、髪もしっかり乾かした紫に起こされた。 「石崎くんなんて呼ぶなよ」 「ほら、寝ぼけてないで早くお風呂入ってきなって」  なんだよ、お母さんかよ。俺全然寝ぼけてなんかないし。そう思ったものの、今のままでは何を言っても相手にしてもらえそうにないので、おとなしく風呂場に向かう。
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