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「厳しいことを言うとさ、石崎。お前はただの二股男だよ。自分ではサヨコちゃんのことそういう風に見てないつもりかもしれないけどさ。結局のところサヨコちゃんに未練ありまくりなんだろ。彼女に隠れてふたりで食事に行ってるんだろ? それってさ、立派な浮気だと思うよ」
「そんなこと……」
浮気じゃない、なんて断言できそうにはなかった。それどころか、金田に指摘されたことでこんなにもサヨコのことばかり考えてしまうのは、今でも彼女のことが好きだからなのかもしれないと妙に納得してしまう自分もいた。
「ふたりとも選ぶなんてできない。寧ろ、どちらからも選ばれない可能性があるということを頭に入れておくべきだ。いずれにしろ、石崎は自分の気持ちとちゃんと向き合ったほうがいいよ」
「自分の……気持ち?」
「そう。自分にとって、本当に失いたくないのはどっちか。真剣に考えてみな」
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