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そして過酷なその訓練を乗り越えたものがはれて組織の一員になる。
その組織の中に、とある少年がいた。
名前はアレス・レイセス。
彼は組織の中でも年少で、それは実力者であることを表していた。
一般的には20歳ほどでやっと入れる。
それをわずか16にして入れるものはそうそういない。
そしてそれは彼を孤独にするには十分な要素だった。
歳が近いものも少なく同じチームの大人でさえも、あいつは強いからと距離を置かれる。
だが彼はそれを気にしてはいなかった。
ひとりであることが当然のように、それを淡々と受け入れている。
しかしその孤独は――突然なくなった。
彼の班にひとり配属されることになったのだ。
同い年の少年が。
「あ、今日来るんだったな」
部屋の中でアレスは呟いた。
他の班の人間は急用な任務で出ている。
新人を迎える留守番として彼は残されたのだ。
少しワクワクしている自分がいることに驚きを覚えるが、さして引きずることも無く執務に取り掛かる。
「どうせ誰が来たって変わらないだろ。班の人数が増えるだけだ」
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