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すると部屋にノック音が響き渡った。
来たか、と小声でいいドアをゆっくりと開ける。
開けた先に立っていたのは彼と同じくらいの背丈で笑顔が似合う少年だった。
「初めまして! アカヤ・カタノス、16歳。今日からこの班に配属されたものです!」
ビシッとポーズときめ、明るい声で言った。
あまり組織では見ないタイプの人で面を喰らってしまう。
「あ、俺はアレス・レイセス。他の人は任務で出てるから、とりあえず入って」
部屋の真ん中にあるソファに座って他の班員が戻るのを待つ。
何か話すでもなく無言、それに耐えられなくなったアカヤは声を上げた。
「あ、あの~」
「そういえばお茶出してなかった、ごめんね」
そう言って明日はお茶の準備をし始める。
そうじゃないと言いたげなアカヤだが、大人しく出されたお茶を啜った。
「ありがとうございます」
「別に。それと俺と君は同い年なんだから敬語じゃなくていいよ。大人の人たちには敬語じゃないと文句を言われるから、気を付けないといけないけどね」
「そうです……あ、そうなんだね。でもいいの? 僕の方が後輩なのに」
最初の元気いっぱいではない様子をうかがうような声で言った。
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