【恋煙】

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身支度を整える。 まだ、りゅーじは目覚めない。 なんで、 さみしいって、思うのか なんで、 そばにいてって、思うのか、 好きなのに 好きがわからなくなるんだよ。 もっと近くにいたかった。 もっと遠くにいたかった。 寝てるりゅーじは 可愛かった。 鼻をつまんだり、 眉毛触ったり、 ぎゅーって、 抱きついて眠るのも好きだった。 甘えまくって、 それを全部許してくれる りゅーじが大好きだった。 でもね。 そんな りゅーじが、いやだった。 クローバーを ゆっくり眺めながら タバコを1本だけ吸った。 ふたりで それを見つけた時のことを 思い出しながら 最後の煙を吐き出したとき、 すこしだけ、 りゅーじの体が動いた。 もう、 これでお別れだね。 そのクローバーを くしゃりと、 潰した。
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