もうこれ以上、許さない

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「しかも俺みたいな口だけで最低な男と生きてくれたら、すっげえになると思うんだけど… ダメかな?」 聞きながら、涙がぼろぼろこぼれ出す。 「口だけじゃない、最低なんかじゃないよっ。 風人はいつだって、あたしのために必死になってくれてた。 むしろあたしの方が、1度はフラれたわけだし、そのあとに…」 誉とさんざん抱き合ってきた。 風人は記憶がなくても、あたしだけって約束を守ってくれてたのにっ… 言葉に出来ずに、代わりに涙があふれると。 「月奈はなんっも悪くないよ?」 繋いでない手でよしよしされる。 そして繋いでる手は、お互いだいぶ汗ばんでるのに絶対離そうとしなくて… 愛しさで、胸が苦しいほど詰まってく。 「つーか、フってないしっ。 思いっきり逆だから」 「……逆?」 「そーだよ、プロポーズするつもりだったのに」 「っ、はああ!? どこがよっ。 あたしとはもう、恋人(こんな)関係でいるのって言ってたよねえっ!?」 あまりに取ってつけた言い訳に、涙も引っ込む。 「だからそれはっ… 恋人ってゆういつどーなるかわかんない関係で、これ以上不安になんのもさせんのもって意味で。 一刻も早く、俺がサインしなきゃ一生離れられない関係になりたかったんだ。 ごめん、芽衣と似たような事考えてて引くかもだけど…」
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