邪魔するなら許さない

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* * * 「はてーんこーーーう!!」 あたしは防波堤から、海風に立ち向かうように叫んだ。 次の瞬間、ぶはっ!と吹き出す声がして… 振り返るとそこには、スーツ姿の見覚えがある人が立っていた。 「あ、確か玉城さんの…」 「えっ! 俺の事知ってんだっ?」 「うん。 あたし玉城さんと同じ大学で同じ科だから、よく送り迎えしてもらってるの見かけるし。 優しくてイケメンな彼氏って有名だから」 玉城芽衣ちゃんは足を怪我してて、入学当初からずっと松葉杖生活だったから… 目の前の男が毎日送り迎えをしていた。 「うわ世間せっま! でも俺、彼氏じゃないよ?」 「そーなのっ? でも玉城さん、みんなにそう言われても否定しないよ?」 「そうなんだ? …まぁ、芽衣の優しさだろ。 芽衣の足、俺のせいだからさっ。 俺が悪く思われないようにしてんじゃないかな」 「なるほど…」 なんだか深刻そうな内容に、それ以上何も言えなくなる。 「ところでキミは、そんなとこ立って何してたワケっ?」 「何って…宣言? そっちこそこんなとこで何してんのよっ」 笑われたのを思い出して恥ずかしくなる。
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