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「はてーんこーーーう!!」
あたしは防波堤から、海風に立ち向かうように叫んだ。
次の瞬間、ぶはっ!と吹き出す声がして…
振り返るとそこには、スーツ姿の見覚えがある人が立っていた。
「あ、確か玉城さんの…」
「えっ!
俺の事知ってんだっ?」
「うん。
あたし玉城さんと同じ大学で同じ科だから、よく送り迎えしてもらってるの見かけるし。
優しくてイケメンな彼氏って有名だから」
玉城芽衣ちゃんは足を怪我してて、入学当初からずっと松葉杖生活だったから…
目の前の男が毎日送り迎えをしていた。
「うわ世間せっま!
でも俺、彼氏じゃないよ?」
「そーなのっ?
でも玉城さん、みんなにそう言われても否定しないよ?」
「そうなんだ?
…まぁ、芽衣の優しさだろ。
芽衣の足、俺のせいだからさっ。
俺が悪く思われないようにしてんじゃないかな」
「なるほど…」
なんだか深刻そうな内容に、それ以上何も言えなくなる。
「ところでキミは、そんなとこ立って何してたワケっ?」
「何って…宣言?
そっちこそこんなとこで何してんのよっ」
笑われたのを思い出して恥ずかしくなる。
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