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そこは、大和村と呼ばれる、小さくても栄えている村でした。
大和村では、男性は主に狩りをして、女性は主に家事をするのが一般的ですが、中には男性が家事をしたり、女性が狩りをすることも許されていました。
どんな事をしようが、好きなことをして村に貢献する。「貢献すること」をとても大事にする村でした。
そこで村の住人達は、食料を分け合い、住処を分け合い、衣服を分け合うなどして、お互い協力しながら自給自足をしておりました。
そんな中──。
「好きです!付き合って下さい!」
と、大きな声が村に響きました。
村の住人達は、少しだけその声のするところへ振り向きましたが、何度も聞いたことのある声だったので、またかと思いながら、それぞれの作業へ戻りました。
大きな声を上げたのは、村に貢献といった貢献をあまりしてない、泉字(せんじ)という男でした。
泉字は、村1番の体格の大きい男で、声も、歩く姿も一目見ただけで分かるほど、存在感のある男でした。
しかし、泉字は、生まれて8年ほどたった頃、貢献するということを嫌ってしまい、15歳で大きくなったものの、体格を活かすことなく生活しておりました。
そのくせ、食べる量は多く、皆が狩ってきた食料を人の倍は食べてしまうため、村の人々に好かれていませんでした。
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