創世神話 ~精霊と原初の存在~

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創世神話 ~精霊と原初の存在~

   それは遥か太古の昔。  世界には何者も存在しなかったという。広がる空には万古の太陽が照りつけ、見渡す限りの凍てつく地平線がただあったのだそうだ。太陽の光は白く眩しかったが、それ以外は真っ暗な空だったといい、広がる地平線はどこまでも凍てつく大地だった。  どれほどの時が流れただろうか。照りつける太陽が凍てつく大地を溶かし出した頃、溶けた大地は蒸気となって空へと上昇し、気流を生んで雨雲を作り出した。やがて大量の雨となって大地に降り注ぎ、大地は雨水で覆いつくされた。  これらは循環しいつまでも繰り返すことで、世界の源となる精霊を宿した。荒ぶる精霊たちは大きな蛇の様で、灼熱(しゃくねつ)の世界と嵐を生み出した。全ての始まりは太陽と云われ、太陽は精霊世界の門とされた。  こうして何者も存在しない世界に精霊たちが現れた頃、それは凍てつく大地からなのか、真っ暗な虚空からなのか、それとも大地を覆い尽くした大量の水からなのかは分からない。どこからともなく、三つの存在が順に現れた。  最初に現れたのは、一体の雄大な巨人だった。彼は灼熱(しゃくねつ)の大地となった世界を見渡しながら、地平線の彼方まで歩き続けたという。彼が歩く度に大地は揺れ、大きな足跡を残していった。そして彼が歩いた軌跡は、山となりくぼみとなって大地を変形させ、降り注ぐ雨がくぼみに溜まり、それは大きな水溜りになったという。  雄大な巨人は世界を歩きながら、この世界が丸い球体であることを知った。大きく変形した大地のお陰で、精霊たちの活動に変化が生まれた。
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