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山川教授
大学4年の春。俺に目をかけてくれていた山川教授から相談を受けた。先生のお嬢さんが、まだ18歳だというのにガンで余命数か月という。今は自宅で療養中だが、生きる気力を失い食欲もなく、かわいそうで見ていられないのだという。
先生は、それ以上、何も言えず、泣いた。
「お嬢さんの趣味は?」
俺は勇気を出して、そう尋ねた。
「ユリア・・・娘の名前だ。一人娘なんだ。趣味はバイオリン。あと絵を描くのが好きだ。最近は・・・泣くことが趣味かな・・・」
先生は、そう答えて、また、泣いた。
「じゃ・・・今日、先生、帰る時、声かけていただいていいですか。いっしょに、お宅に伺います。」
「え? 今日? いいのか?」
「はい。一日でも早く・・・」
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