太古の機械。

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太古の機械。

「前にも言ったがな、俺達の周りや空の彼方には太古の機械が山ほど浮かんでいる。俺達のチカラっていうのは、この、太古の機械を自分の意識の中で感じ、そしてそれと一体となることによってその機械の力を引き出すということなんだ」  もう何度も聞いたよその話。とは思ったものの、とりあえずうんうんと聞いてる。  焚き火がパチパチとはじける夜。  太古の機械。ギア。  彼らは皆高次元に住んでいる。  浮かんでいると言っても、それは次元が違うのだ。  でも、向こうからはこちらに干渉できる。そう、まるでボクたちが紙に絵を描く事ができるように。  ボクらのような機械使いはそんな彼らと心をかよわせることでチカラを行使する。まるで魔法のように。  火のアーク。  水のバアル。  風のアウラ。  土のオプス。  彼らはそんな中でも特にこの世界に満遍なく存在している。  物質の化学変化に干渉するアーク。  物質の温度変化に干渉するバアル。  空間の位相、位置エネルギーに干渉するアウラ。  そして、それらの物資そのもの、この空間に物質を創造し生み出すことのできるオプス。  もちろん他にも居るんだけれど主に彼らがボクらの周りでチカラを貸してくれている。  それが機械使い、マシン=マスターとしての力なのだ。  そして。  そんなギアの中でもより戦闘に特化した能力を持つ魔・ギア。  ボクの持つこの盾、魔・ギア《ガントレット》 ダーク・シルトガント。  教会にずっと飾ってあった勇者の盾と呼ばれていたそれは、ある時ボクの右手に引き寄せられるように飛んできて、噛みつかれたかと思った時には少し小さくなって張り付いていた。  黒褐色のカケラ、ビットを飛ばし、  攻撃も守りもこなす万能な盾。  それがこのダーク・シルトガント。  先日のバベルの戦闘では敵の三本足の大群を薙ぎ払ったそのチカラ。  まだほとんどのチカラがうまく使えないボクにとってはこのシルトガントが頼りなのだけれど。 「ああ。お前はまだ自分の中のマナがうまくコントロール出来ないのだな」  暗闇の中からいきなりそんな声が聞こえた。  左目だけが金緑に光る。  って。  あれはマギア・キャッツアイ! 「にいさん!」  暗闇の中に立つ、その人物はラス・レイズ。  ボクのにいさんその人だった。
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