復活のラギレス。

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復活のラギレス。

「探したよ。ラギレス。マシンメア・ハーツの世界に居ると思っていたのにな。まさかこんなパラレル世界に来ているとは」  え?  何?  ラギレス……?  えーー? 「全く手間をかけさせる。これならアリシアでいる間に手にかけておけばよかったよ」  って! 「どういうことよ!」 「はっ。おもいだせないか? 歯痒いな。お前はいつもそうだ。自分だけそうして世界に溶け込んでしまおうとする。俺はお前のことを忘れた事はないぞ?」  なにを。  そう言いかけて止まる。  隣に居るはずのジルを見て。そして周囲を見渡したあたし。  世界はいつのまにか色を無くしていた。  目の前の炎も、そして、ジルも。  全てが灰色の世界に塗りつぶされて。  あたしはいつのまにかラギの身体を離れ、そして。  思い出していた。  あたしはラギレス。  そう。  大賢者と呼ばれたラギレス!  って。今は猫のミーシャのはずなんだけどね? 「あなた、誰? 誰なの⁉︎」  あたしは声にならない声でそう叫ぶ。  声は届かなくてもいい。たぶん心が通じている。 「俺は、魔。魔・ラスレイズ。お前のカタワレ。そして、お前を飲み込んで真の神になるのだ!」  そういうと触手のような黒い手がこちらに伸びてきた。  気持ち悪い!  あたしは身体の周囲に防御膜を張り、なんとか直接絡めとられるのは防ぐ! 「どうして?」 「今更聞くのか。わかっているのだろう? 此処が何処だか。お前が何なのか。そして俺がお前を欲しがるわけも!」  わかんないよ!  そんなの! 「わかんないよ‼︎」  あたしは風のアウラの上位ギア。魔・ギア《エンジェルウイング》アウラ・フェザーを起動。  そして。  あたしから伸びる天使の羽は、ラスレイズの黒い触手を切り裂いた。  そして、そのまま。  世界の深淵。以前辿り着いたそこ。事象の果てに向けて跳んだ。
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