内なる世界の中心で、拒絶を叫ぶ。

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内なる世界の中心で、拒絶を叫ぶ。

 宇宙が、世界が、泡のように生まれては消える。  何度見ても慣れない。そうも思う。  生まれたら消えなくちゃいけないなんて誰がそう決めたんだろう?   あたし?  違う。  コトワリは決めた。確かに。  だけど。  消えるのではなく再生だった筈だ。  円環の輪廻だった筈。  あたしの内なる世界。  この全ての世界はあたしの内にあった筈。  全てはあたしだったのだ。  元々は。  その内なる世界を埋めていった。  あたしは一人が嫌だった。  だから。世界を創ったのだ。  自分の中に。  この、世界、を。 「創っておいて手放したのですよ? 貴女は」  あたしのそばで精神体となって浮かぶデートリンネ。  もう攻撃はしてこないのだけど、言葉は辛辣で。 「手放しただなんて……」 「世界の中心に在った貴女。その一番中心だけがある時存在を感じられなくなって、わたくしたちがどれだけ困惑したか」 「あたし、そんなつもりじゃなかった。ちゃんと自分をわけて置いてきたはず」 「ええ。確かに貴女はちゃんと残っていました。でもそれは貴女の抜け殻だった」  え? 「世界としての貴女は確かにそこにありました。でも、それは貴女としては機能していなかったのですよ」  デートリンネはかぶりをふって。  あたしに見えるように、手を振った。 「全ては貴女の我が儘のせい。そのせいでこの貴女の内なる世界は崩壊しかけているのです!」  って、まって。  そんなの……。  デートリンネの意識があたしの中に入り込む。  ああ。  この内なる世界の中心に、外からのアクセス?  あたしが居なかったから対応できなくて。  侵食されかかってる? の、か。  いや。  気持ち悪い。  あたしが侵食されかけているっていうの⁉︎ 「そうですよ。だからわたくしが貴女を吸収することで無理やり貴女を目覚めさせようとしたのです!」 「わたくしはもともと貴女の一部。貴女がこのまま元に戻らないのであれば、わたくしが吸収して差し上げることで元の貴女に戻る事ができるでしょう」  ああ。  なんて事。 「ごめん。リンネ。でも、そんなことしたらあなた、自我が消えちゃう。ダメだよそんなの……」 「わたくしのことなんてどうでも良いのです。貴女を守るのがわたくしの役目。なのですよ?」  ごめん。デートリンネ。  あたしの我が儘で困らせてたんだね。  だめ。これ以上は。  あたし、とにかく戻る、ね。  世界の中心に、あたしの内なる世界の真ん中に。  そんでもって、叫んでやる。  外から来ている何かに。  これ以上、あたしに関わるな、って。  叫んで叫んで追い出してやる!
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