逃げる高梨、追う鈴木

０.はじめまして高梨さん

間も無く講義が始まった。

はじめての講義は、外国語（英語）だった。

フランス語と迷ったけど、発音とか難しいから単位取れるか不安で。

フランス料理を作ることになっても、今のご時世作り方は日本語だろう。

それよりも世界共通の英語を選択する方が俺にとっては好都合だった。

「まずはー、アルファベットから〜…」

…まじか。

ここは中学校か？

あまりにも退屈すぎて、先生から視線をそらし、高梨さんを見た。

高梨さん偉いな、ちゃんとノートとってる。

それに比べてエリちゃん達はSNSをチェック中。

そんな俺も、澄んだ青空を眺めているのだが。

なんか、思ったより大学って…。

こんなもんなのか？

だとしたら、大学にまで来ることなかったかもしれない。