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90分の授業を終え、みんなが立ち上がり移動を始める。
今日こそ高梨さんと話す…!
「ねぇ、颯斗くん」
エリちゃんが振り返って満面の笑みで俺を見上げた。
「はい?」
「次空き?午後までヒマならウチらとカフェ行かない?」
「あ、いや、ごめん、用事あって」
ウソだけど。
いや、高梨さんと話すミッションがある。
机上のノートをカバンに突っ込みながら高梨さんを見る。
まだいる、丸福さんと一緒に…あぁ、もう部屋を出てしまう!
グダグダと部屋を移動する人混みを抜け、後ろの扉から部屋を出た。
前の扉から出た高梨さんと丸福さんと、丁度のタイミングで出会う。
「わわ、ごめんなさい」
飛び出してきた俺とぶつかりそうになった丸福さんが機敏に避けて謝る。
高梨さんはその隣で俺を見て、目をわずかに細めた。
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