165人が本棚に入れています
本棚に追加
バンッと勢いよく開いたドアに驚いて思わず飛び起きた。
そこには俯いてドアに手をかけたままの高梨さんがいた。
表情が見えないし微動だにしない。
「た、高梨さん……?」
ベッドから下りようとすると高梨さんが足早に近づき、正座して俺を見上げた。
「私は……あなたの望むような彼女にはなれません」
……へ?
「以前カフェで……見てました、彼女とお別れしたの時を」
カフェ……お別れ….ってもしかして、千紗と別れた時のこと?
「先にいたんです丸福さんと……2人が見えて、話が聞こえてしまって、思わず逃げました、外に」
高梨さんがゆっくりと視線を落とした。
「でも店の前から何故か動けなくて、丸福さんは一緒にいてくれて、そのうち鈴木くんが出てきて、また店に入りました」
そうだったんだ……聞かれてたのか、恥ずかしい。
最初のコメントを投稿しよう!