10.逃げる高梨、追う鈴木

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グサーッと心に突き刺さった高梨さんの言葉に、思わず咳込む。 「だ、大丈夫ですか?」 「いや、う、うん……なんかごめん、俺めっちゃ恥ずかしいこと言ったね、自分でもクサイ台詞を吐いたなって」 「え、いや、そうじゃなくて!」 慌てる高梨さんの顔を覗き込む。 まぁ、当たり前のように視線はそらされた。 「恥ずかしくないですか?……私なんかと一緒にいて」 そういう事? 俺の発言が、とかじゃなくて? 「恥ずかしい?なんで?」 「だ、だって私なんて、可愛くも美人でもないから…」 真剣な顔して言うもんだから思わず笑った。 「高梨さんは可愛いよ」 案の定、首を何度も横に振った否定が返ってくる。 「一緒にいて恥ずかしいなら、水族館も誘ってないし、デパートのカフェでランチなんかしないよ」 その一言に高梨さんの動きが止まった。 「俺は一緒にいたいと思ってるよ」
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