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高梨さんは後退りをしたけど背中がドアにぶつかった。
「いや、もうちょっと近くにおいでよ」
「いいです、もう帰ります!」
ちょっとイジワルしすぎたかな、と後悔した。
「それだけ話せたら元気ですね、安心して帰ります」
「高梨さんが一晩つきっきりで看病してくれたら早く治るんだけどな」
「帰ります、観たいテレビもあるので」
テレビに負けたんか、俺。
「じゃあ気をつけて、ありがとね色々」
手を振ると高梨さんはペコッと頭を下げて部屋を出た。
再び横になって天井を見上げる。
…あれ?
結局俺たちは付き合うことになったのか?
あそこまで言わせて、言われて、両思いじゃないなんてありえない。
どれだけ高梨さんに近づけたと思っても、結局追いつけない。
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