0.はじめまして高梨さん

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「〜ということで、明日から講義が始まります。と言ってもオリエンテーションなのでしっかり説明を聞くように」 教授が言い切るのと同時にチャイムが鳴った。 「では今日はこれまで、また明日」 教授が部屋を出て、ざわついた。 今日は午後のみで、90分2コマ(3時間)のオリエンテーションは話ばかりで精神的に疲れる。 「えっと、鈴木くん」 後ろから話しかけられ、振り返る。 もちろん、爽やかな笑顔を作って。 そこには、2人の女子がいた。 2人とも髪は明るく、メイクは濃いめ、服も派手だ。 「名前でいいよ、颯斗で」 「あ、颯斗くん…ってサーフィンやるの?」 「かっこいいね、私にも教えてほしい」 ほら、きた。 周りにも何人かの男子がこちらをチラチラ見ている。 大学生活も“人気者の颯斗くん”キャラを演じることにしますか。
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