1.名簿順なら高梨さんと

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…でも、失恋した時くらいはかっこ悪くてもいいか。 「ちくしょー!」 誰もいない河川敷を、全力で自転車の立ち漕ぎした。 くそっ、悲しいのに何故か涙が出ない! 悲しすぎるからか、突然すぎるからか、俺から溢れ出すのは雄叫びだった。 「ぅおー!」 さよなら千紗ー! 息を切らしながらリビングのドアを開けると、爽子が驚いた様子で立ち尽くした。 「…何?やっぱし破局した?」 爽子が持っていたグラスを奪いとって、300mlのオレンジジュースを飲み干す。 「あ!何してんの!くそ兄貴!」 「あぁーっ!うるせーよ、くそ妹!こういう時くらい優しくしろ!」 「んもー!最低!アホ!」 爽子はそのままリビングを出て、大きな足音で階段をのぼって自分の部屋に閉じこもったようだ。
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