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「…1番…えーっと…一番出入り口から遠い席でーす…」
俺の50番の席からも一番遠い。
そんなに上手く行かないか。
高梨さんは小さなくじを両手で握ったまま丸福さんのくじを見る。
「私はー…あ、48番だってー、遠くなっちゃったね高梨さん」
「あ、48番?!神席じゃん、丸福さんおめでとー!」
翔のハイテンションに丸福さんと高梨さんがキョトンとしているところに、カナちゃんが割り込む。
「あのね、フクちゃんの席、颯斗くんの目の前だし4人しかいないから今日の当たり席だね、って言ってたの」
「あー、そういうことね、ふふっ、いいことありそうだねぇ」
丸福さんはニコッと微笑んで、すぐそばの席に座った。
高梨さんは…おどおどしながらみんなが座るイスを避けつつ、一番奥の席に座った。
その左側は窓になっていて、右側にはオタクの筒井が座っていた。
…いや、すでに顔見知りやん。
わざわざそこじゃなくてもええやん。
向かいもまだ来てないから筒井と喋らなきゃいけないやん。
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