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その姿にクラスメイトのざわつきが静まり、一気に空気が張り詰めた。
「ごめん、原付で転んで遅れた」
「い、いやいや、先にケガの治療でしょ、大丈夫?」
「んー、ちょっと痛いかもしれへんな」
絶対“ちょっと”じゃないと思う!
「平気やから、ウチの席はどこなん?」
「いや、その前に顔の傷どうにかしようよ、ね?一緒にお手洗い行こう」
カナちゃんの優しさを清水さんは素直に受け入れた。
お手洗いに消えた2人の様子をクラスメイト一同が無言で見送る。
…やばい、空気が冷め切ってる。
「えーっと…えー…みなさん、乾杯の準備の方できてますか?しばしご歓談くださーい」
クラスメイトも空気を読んだのか、再び会話が始まった。
文太先輩が気を利かせて店内のBGMのボリュームを少し上げてくれたこともあって、カナちゃんと清水さんが戻ってくるまでに場は和んでいた。
てか、本当に一番奥の高梨さんの周りは実験班員しかいないやん。
おかげで高梨さんはホッとしてるような気もするけど…クラス会の意味あるー?!
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