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１時間くらい経つと、あちこちで席から立ち上がって、別の場所に移動する人が増える。
別にずっとその席に座る必要ないし、色々席移動した方が仲良くなれそうだからいいと思う。
俺も翔を見習って、テーブルを回ることにした。
というか、高梨さんの座る席まで遠いしみんながジャマで通れないから、少しずつ近づく作戦。
だけど、周りに気を遣いすぎる“良い人”な俺は、あちこちのテーブルに顔を出してしまう。
高梨さんのテーブルまで距離がありすぎる。
早く行ってあげないと、高梨さんさっきから筒井や清水さんとの会話に参加せずドリンクメニューに視線落としてる。
会話が大事だよ、つまらない会話でも聞いて、てか他の人とも会話して！
「颯斗くん、ちょっと来て！」
あーっ、もー！
高梨さんの隣のテーブルまで行けたのに！
カウンターで文太先輩と話すエリちゃんに呼ばれ、結局ふりだしに戻った。
今回は高梨さんが逃げたのではなく、俺自身が高梨さんから離れていったのが悔しい。
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