時代を生きた桜の木

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時代を生きた桜の木

満開の桜が咲いてくれた。 広大な草原の中に、 一本の桜の木に 今年は、咲いた 青い空 白い頭をした山達 大地いっぱいの緑の絨毯 私は、この場所で見る桜が とても、好きだ。 ここは、北海道の田舎 都会から、少し離れていて、 人も、あまりいない そんな、大自然の中にポツンと 一本の桜の木が 短い期間だけ 元気に綺麗な花を咲かせる 日本で、1番最後に、桜の木に花を咲かせ 春を楽しませてくれる この桜の木が咲いているのを、 見れるのは、とても 短い期間だけ 360度 見渡す限り、緑の草原に、 ただ、一本の桜の木が、咲かす桜 「毎年見れるわけでもないのだ」 風が強ければ散り 雨が降れば散り 寒ければ、咲かず 「なぜここに、一本だけ?」と 不思議に思う この場所にある桜の木 昔から 祖父母達や地域の皆で 毎年手入れをし 桜が咲くのを楽しみに おしゃべりをし、笑い声が絶えない 田舎のいこいの場の桜の木 ただ、この桜の木も、来年は、なくなる。 農地開拓の為だと言うが、 残念で、 仕方ないことだ また、一つ田舎のいこいの場がなくなる 住みやすくなるための町にするには、 色々な、犠牲があるとは、思う 仕方ないことだと思う 道路、施設も大事だとおもう ただ、 「大切な人、大切なもの、大切な事」を 守ることを後世に伝えていくこと も、大事だと 年老いた祖父母達は、 笑いながら、話していた。 本当は、言いたいことも、あるだろう 伝えたいことも、あるだろう もっと、守ってあげたかっただろうに 桜咲き、語り合った分だけ 絆が、結ばれたこの場所を 広大な大地にあった 一本の桜の木を 私は、一人でも多くの人に、 知って欲しかった。 最後に綺麗な桜の花を咲かせた 桜の木よ「ありがとう。」
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