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ハガキ
「夕子、あなたにハガキが届いてるわよ」
そのハガキが届いたのは、安倍の美容室に行ってから三日後だった。
「誰から……?」
「……で、変なのよ……。裏は真っ白で全部点字で書いてあるの」
夕子はハガキを手に取り、指先で撫でる。
――ボ、ク、ハ、キ、ミ、ノ……。
一行だけの文章の下には『アベヒカル』と打ってあった。
「…………ふふふ、……バカ……」
――安倍さん、点字、いつの間に勉強したの? なんとも言ってなかったのに……。
胸がいっぱいになる。涙が湧き上がる。
「何て書いてあるの?」
「君の……君の光になる……だって……」
「きゃ、それラブレターじゃないの?」
――会いたい。安倍さんに会いたい。
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