化粧

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化粧

 夕子は湯船に浸かっていた。安倍とのキスのことを考える。    胸がキュンと鳴いた。全身に鳥肌が立ったような気がした。   「きゃっ……」    冷たく冷やされた湯気の滴が、肩に落ちる。夕子は湯の中に顎にまで潜り込んだ。    唇には安倍の温もりが残っていた。    指先で自分の唇をたどる。    そのときのことを思い描く。    背筋にゾクリとするような電流が駆け抜けるのを感じた。身体の奥から熱いものが溢れ出す感覚を覚える。    夕子は指先で自分の唇を探る。胸の膨らみを包み、柔らかさを確かめるようにその形を探る。    その手を下腹へ滑らせた。ツルリとしたそこに柔らかい草のような感じがふわふわと揺れている。そこから溢れ出す感じのする場所に手を滑らせ、指でたどる。ぬるりとした感じが指先にあった。   「ああっ……んん……」    ゼリーのように柔らかい場所を指先でそっと押す。電流のようにピリピリした感じが膨らみ、夕子の胸の奥でパンと弾けた。
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