センチメンタルバニラな僕ら

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 「おつかれ」  そう言って昼間のスーツ姿から部屋着に着替えていたひかりは、笑顔で僕を迎え入れた。   一歩玄関に足を踏み入れた僕は「手土産」と手に持っていた紙袋を差し出す。  「えーありがとう!」  手土産の一言に一段と表情が笑顔になったひかりは、僕の元に駆け寄ってきて紙袋を受け取りながら「今日は何かな~」と袋の中身を覗き込む。  無邪気なひかりを他所に、その時の僕は咄嗟に眉を顰める違和感を感じた。  「・・・あっま」  「え?」  「なんか甘ったるい匂いする」  袋を覗き込んでいたひかりが顔を上げて僕の顔をきょとんとした顔で見る。するとすぐ心当たりがあったのを思い出したのか「・・あー、ごめん香水かも」と苦笑いを浮かべながら踵を返して部屋の方へと進んでいく。
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