センチメンタルバニラな僕ら

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 ひかりには"恋人"がいる。それを知ったのは、僕が彼女に想いを寄せて数ヶ月経った頃だった。  『 課長と付き合ってる』  『 ・・・・・・へ?』  同期の僕たちはその当時、仲間うちで仕事帰りによく飲みに行くことが多かった。  その日も、十人前後の同期が集まって賑わう居酒屋の一角にいた。周りもいい感じに酔いがまわって来はじめて、一段と声量が大きくなる。僕も次を頼むために残りのビールを一気に喉に流し込んだ、時だった。  たまたま隣同士の席に座っていた僕たちは、それまで至って普通の会話をしていた。そんなところに突然のぶっ飛び発言で、もちろん僕の思考は上手く働かない。  『 ・・・え、な、え、え、え・・・ガチ?』  『 ・・・うん』
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