いざ、探検へ

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赤色と紺色の会津バスに乗ったのは初めてのことだった。 尾瀬御池のバス停までは約40分。 チィと話しながらの40分は、あっという間だった。 降車すると、尾瀬公園はもう目の前だ。 まだ七時前だというのに、入り口付近は多くの人でにぎわっていた。 大きなリュックを背負っている人も沢山いる。 「ふぇー、尾瀬公園でかっ!!   ねぇ、チィ。これじゃ、花を探しきれないんじゃ…」 案内板を見上げていると、優しそうなおばさんが声をかけてくれた。 「ぼくたち、二人だけで来たの?」 「はい。世界一きれいな、ガラスみたいな花を見たいんです。」 「あらまぁ、お目が高いね! サンカヨウだね。」 「サン・・・カヨウ?」 「そう、サンカヨウの花。  本当は反対側の鳩待峠のほうがいっぱいあるんだけど、  こっちの御池側でも三条の滝のあたりにあったと思うわ。  昨日からの雨で、今日は透明になっているかもしれないね。」 チィとぼくは顔を見合わせてガッツポーズをした。 「おばさんね、近所に住んでるの。  今日は滝の先のつり橋まで歩こうかなと思ってたんだけど、あなたたちの  話を聞いてたらおばさんもサンカヨウを見に行きたくなっちゃった。  一緒に滝まで行くかい?」 チィの顔がぱっと明るくなった。 ぼくは迷わず答えた。 「はい!お願いします!」
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