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薔薇の花言葉が本数によって意味が変わるのは有名な話だろう。
1本なら「一目惚れ」
2本なら「あなたと二人きり」
3本なら「愛しています」
100本なら「100%の愛」
「100本が『100%の愛』とか全然捻りがないな。1本なら『1%の愛』なのかよ」
「『一目惚れ』だってば」
「まあ一目惚れにかかる愛情なんて1%が妥当だよな。だって一目で惚れるんだもんな。これって性欲だよな。ぱっと見『あ、やりてえ』って思ったんだろうな」
「なんて即物的な…」
「だって愛って複雑な感情だろ?病めるときも健やかなるときも富めるときも貧しきときも…そういう歴史を乗り越えた上で愛って確立されるんだろ?」
「その理屈なら愛ってものは終わりの間際にしか証明できないじゃないか。まるで最後の審判だな。あまりにも無慈悲すぎるよ」
「いやでも、その無慈悲で不確かな愛を信じ続けられるかどうかが愛なんだぜ」
「病気とか金とか、人間が平常でいられない要素を織り混ぜなきゃ証明できないなんて、愛って実は純粋なものではないんだな…108本の意味があれなのも、やっぱり愛が不純なものである証左なのかもしれない」
「なんだ?煩悩の数だな」
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