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その2
ケイコ
「キミさ、いいねえ…、その気の強いところ。ストレートで何ともだ。これでむっちりボディーだったら、彼女の一人にしたいとこだけどなあ…」
「ふざけんなー!」
私は自慢のバカでかい声で周囲を気にせず怒鳴りつけてやったが…
「アハハハ…、でっかい声だな、参った(大笑)」
このエロ男も回りなど、ハナから気になどならないドン感だったようだわ
...
「おーい、テツヤ、またヨソの学校の子にちょっかい出してんのかよー!そろそろ集合かかるから行くぞ!」
同じジャージ着てる部活仲間らしき男子が100Mくらい先から声をかけてきたよ
他にも私の大声で何人かが振り向いたり、クスクス笑ったりしてるし‥
「おー、今行くよ。…あのさ、キミは滝が丘の新入生だろ?」
コイツめー、私の素性を調査済だったのか!
だが、こここでもこのエロ野郎は、私が何かしゃべる前に何とも素早く言葉を出すんだわ
「実はさ、滝が丘さんってことで頼みたことがあるんだ。今、集合かかってるから、オタクの次のレース終わった後ここに来て。待ってるから。じゃあ…」
そこまで一気にまくし立てるとコイツ、私を背にして全力でグランドに向かって走り出したよ
まさに目にもとまらぬ速さで
さすが陸上部…
...
「おい!ちょっと待てって…!」
私はそいつを追って走ったよ
したら、振り向いたわ
走り中のアイツ…
そんで…
「ああ、準決勝がんばれなー。予選はダッシュが遅かったから、その長い足もっと早くフル回転だぞ。なら、健闘を祈る!」
私は思わず立ち止まってポカンと口を開けてたよ
「お、おいー!」
そう次の言葉を投げかけた時は、もうそのエロ男は100M以上先を走っていたわ
アイツ、私の予選チェックしてたのか…
…そうか!
あの男はストーカーだ!
よし、リミに現場を見届けさせて、その場で証拠を取ったら大会の係につき出してやる!
まあ、その前にとにかく次のレースに集中しなかきゃ…
ふう…、あのエロ男め
大事な新人戦だってのに、とんだ茶々を入れやがって!
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