妄想とか現実とかどうでもいい

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 すずさんが、消えた。二人の思い出を書き記そうと、ここに書き始めていたら、消えてしまった。何となく書いてはいけない気はしていた。それでも残したくて、書いた。結局妄想は妄想なのだろう。現実にしようと、文字にするなんて言うのは、愚行だったのだ。  本当はもっといっぱい思い出があった。朝起きた時に目の前に寝ているすずさん。綺麗な寝息だった。  たまに料理を作ってくれるすずさん。なんだかすごく楽しそうだった。美味しいって言うともっと喜んでくれた。  初めてデートに行った時のすずさん。観覧車にかなり興奮していて可愛かった。  一緒に物語を書いている時のすずさん。真面目に画面を覗き込んでいて、その横顔がとてもきれいで、見惚れてしまって。  もういない。どこにも。お風呂場にも、ベッドにも、コンビニにも、観覧車にも。会いたいな。とても。
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