序章:綻び

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序章:綻び

ーーニホン、某所ーー 「無駄な抵抗はするなよ。俺たちも生きていかないとならないんだ」  ニホンのとある場所で二機のファクターが弾圧を行っていた。  民間人たちが逃げ惑う中、一機のファクター[アウラー]が食料を。  もう一機のファクター[ゼイ・リーヴァ]は資材を根こそぎ奪い取っていた。 『急ぐぞ。[世界統合軍]の連中が来るまでに引き上げる』 「と言っても後ろに[ピルパグ]があるんだ。それなりに持って帰らないとならないとだろ?」  アウラーのパイロットはコックピットハッチを開けて食料を移し出す。  するとゼイ・リーヴァのパイロットが『新型はレーダーに映らないんだぞ!』と注意をした。  しかし、同時に曇り空を切り裂く軌道がほとばしる。  瞬間、アウラーの右腕は切り裂かれて機体は倒れた。  その横には潤沢なほどの白き輝きを放つファクターがレーザーサーベルを振り下ろしていた。
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