序章:綻び

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「大人しく投降しろ! こんな行動をした時点で罪はある!」  シェスの叫びにゼイ・リーヴァは反転するとマシンガンを乱射してくる。  しかし、弾丸がノーマルに着弾しても傷一つすら与えることはできなかった。 『この、成り上がりが!』  ゼイ・リーヴァはマシンガンを腰に納めると、レーザーサーベルを引き抜いてスラスターを噴かせた。  これを確認したシェスは強く踏み込むと大きく跳ぶ。ゼイ・リーヴァもスラスターをさらに噴かせてノーマルに切りかかった。  しかし、その腕は振り切る前に蹴り飛ばされる。ノーマルはバーニアすら使うことなく蹴り飛ばし、回転する機体の遠心力を利用してゼイ・リーヴァのコックピット部を掴んだ。  瞬間、ゼイ・リーヴァの腹部に風穴が開いたが、コックピットはノーマルの手中に残されていた。  そのままノーマルは着地し、シェスは切り裂いたアウラーの様子を確認する。  すると一つの生命反応が逃げだしていた。シェスはゆっくりと機体を歩かせ、その身柄を捕らえた。
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