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シェスが飲み物を飲んでいると[トフィア]が声をかけてきた。
「シェス君、キャニー、お疲れ様。リフレクションシステムはどんな具合だった?」
「動いたとおりに動いてはくれるッスけど、トフィア大尉からすると少し敏感過ぎるかもしれないッス」
シェスの言葉にトフィアは小さく肯定をする。拳も握りしめたことにキャニーが口を挟んだ。
「トフィア、自己嫌悪をするのもいい加減にしなさい。[ケルー]の言葉と[グロア]大尉の行動をないがしろにするつもり?」
キャニーの指摘にトフィアはただ「……ごめん」としか返せなかった。
一年前の決戦[天才の反乱]でトフィアが所属していた小隊[ホワイトシャークズ]は壊滅した。
それも感情すらない【AI】の手によって。超弩級戦艦[アインウォー]内部で行われた戦闘で生き残ったのはトフィアのみであったのである。
「卑下するのも分からなくはない。でもね、ケルーもグロア大尉も死に急いだわけじゃない。もちろんトフィアも。皆、全力で戦っての結果なんだから」
「……うん、ごめん」
トフィアは視線を落としてまるで叱られている子どものように縮こまる。
キャニーが言葉を探していると、シェスが割って入った。
「先に戻ってるッス」
キャニーは呼び止めようとしたが、シェスはそのまま格納庫から去って行った。
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