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俺が先に進んで農林公園に向かう。夏に行ったことがあるがその時はお父さんの車でバーベキューをするために行った。お父さんは肉を食べながらビールを飲んで帰りはお母さんが運転した。大人は酒が飲めるからいいな。俺も和樹も高校2年生だからビールを飲めるようになるまでは、まだまだか。成人式が待ち遠しい。
農林公園に着くと、葉を落とした木々たちが密集して生えている。黄色や赤に紅葉している木もまばらにあった。俺は細い道をサンドウィッチを持って歩いた。和樹は後をついて来た。ちょっと歩くと広場がある。そこの脇にはベンチがあって休めるようになっていた。
「ここでお昼でも食べるか?」
ここに着いたときスマホで時間を確認するともう直ぐ1時だった。お昼を過ぎてしまっている。
「うん、あ、俺さ、レジャーシート持って来たよ」
「へえ、気が利くじゃん」
ベンチに座るよりレジャーシートでゆっくり食べた方が休めそうだ。それに食後にゴロゴロ出来る。
「佑太はそこまで思いつかないだろう」
和樹はにんまり笑う。俺はうるせえ、と言った。
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