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クラスの人気者
ある日の朝。
俺はいつも通り目立たず登校し、クラスの隅の方でぼーーっとしていた。
今日も平和に過ごせますように。
『たっ、田中君おはよう!!』
「おー、おはよう」
今話しかけてきたのは、唯一の友達、山田太郎だ。
もちろんこいつも平凡。話す度にどもるし、顔も頭も俺に劣らないくらい平凡すぎる男だ。
『きょっ、今日は…そ、相談聞いてほっ、欲しくて…』
おうおう今日も素晴らしいどもり具合だな。
「おう、別にいいけど…」
そう言うばすぐに前の席に座り、勢いよく振り返って小声で喋りはじめた。
どんなけ相談聞いて欲しかったんだよ…
『じ、実は昨日、なっ、永瀬君に…す、すきっていい言われたんだ…』
…は?
「はあああああっ!?」
おっとあぶない急展開すぎて大声を出してしまった。
永瀬と言えば同じクラスのあのキラキラしてる奴だろ???
謎にサラサラ金髪と蒼眼な外国風イケメンの奴だろ????
そんな奴が???平凡男山田に???コクハク…????
「えぇ、なんでまた急に??」
表面上冷静を装いとりあえず経緯を聞いてみる。
『あ、あのね…ぉっおれのこ、この喋り方が、お面白いらしくて…、き、気づいたら、すすす、好きになってたっ…て』
あーあれな、興味持ってからの目で追うようになってからの自分の気持ちに気づいちゃうやつな。
『そそそ、それで僕、ど、どうしたら…』
そうアワアワする山田を見て思う。
…今日からこいつになるべく関わらないようにしよう。
そう誓った俺は自分が巻き込まれ体質な事を忘れていたようだ。
『おはよ、タロちゃん』
oh…
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