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day17…『殺意』を抱く瞬間を描写
幼い頃から、強突く張りだの人の血が通っていないだのと苛められ、友はいなかった。
「借りる時の地蔵顔、返す時の閻魔顔と言ってな、勝手なものだ。借りた金を返さぬという法があるものか。こちとら商売なんだ」
うちは、それでおまんまを食っているのだから。貸した金を返してもらえなければ、うちが潰れてしまうのだから。そう思ってこれまで黙って父に従い、耐えてきたのだが――
親父は、娘のような年齢の後妻を迎えた。借金の抵当代わりであるのは、明らかだった。
「お家の商売と政ちゃんは関係ないでしょ」
そう言って唯一人、いつも政次郎を庇ってくれていたお沙希。冷たい秋風に耐えて凜と咲く、白い野菊を思わせる少女だった。
「あの、狒々じじいめが……っ!」
政次郎は、夜具を抜け出して勝手へ行き、水瓶からがぶがぶと何杯も水を飲んだ。
それから、足音を忍ばせて廊下を戻るその手に、ぎらりと出刃が光った。
* * *
こういうことで、いいんかなあ……?
386文字。誰も求めてないけど400字詰め原稿用紙一枚。
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