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【7月20日】
爺でございます。安全ヨシ!!
本日、爺は、奇怪なものを見たのでございます。
それはさわやかなクーラーがガンガン効いている職場でございました。
爺は売り出しをしていないけど、なぜか賑やかしのスマイルを全開にして、働いていたのでございます。
接客業はまことに感情労働でございます。上司や先輩の皆さまが健やかなこの職場では爺のスマイルも全開でございます。にこにこにこにこ(マダムイヤミンがいない店舗に勤務しております。絶賛勤務しております!)
と、そこにお客様がまいったのでございます。
年の頃は……爺より、十 二十 下手すりゃ三十 年上の爺でございました。
爺の人生の先輩ということで「超ジイ」と仮称をつけさせていただきます。
その「超ジイ」は、220円の買い物をなさいました。
そして財布をまさぐりながら、「ジイ」特有のお言葉を口になさいました。
「お金が足りないなあ。体で支払っちゃおうかな」
「……」
ここに笑ってはなりません。
いいですか!
調子付かせると下手な常連客になって、大した買い物もしないくせに二時間くらい店員に世間話をするくだらん「超超超ジイ」が爆誕いたします。
「超」とか「スーパー」がついていいのは「チョコモナカジャンボ」だけです。あれは最高ですね。
チョコでモナカでジャンボですよ。至れり尽くせりでございます。
が。
「超ジイ」は、身体で支払うと言って聞きませんでした。
さて。この場合、「超ジイ」のどこの部位を持って220円を支払ってくださるのか。
たとえば、骨を煮出してスープと言えども、余分な肉を削って、洗うのもなかなか苦労でございます。
焼肉にして売るのも不味そうでございました。
毛も白くてチョイチョイでフワフワでございましたから、ヅラとして価格がつけられるものではありませぬ。
皮膚は薄く、鞣し革としても使い物になりませんでしょう。
仮に目玉をえぐるとか色々考えましたが、どれも大変手間がかかり、爺の時給の範囲内ではちょっとおさまりがつかないような気がいたしました。
やはりここは、身体で支払うのではなく、肉体労働を持って償っていただこうと考えましたが
爺は(この場合はわたくしです)とっても怪力でございます。そして身長も高いのでけっこうなんでもできます。
しかしながら「超ジイ」は絶対、凄腕ではございません。30キロとか持ち上げたりできなそうです。
仕事を教えるのもめんどくさいです。
なので「身体で支払おうかなー」じゃあございません。
あんたの身体では220円を支払えないのでございます。
220円の価値があなたの身体にはございません。
爺は、外ヅラの良さは本当にみんなに褒めてもらえるくらいなので「あいにく当店は現金のみでございます」とニコニコしながら言いましてございました。
(はよ逝け、などとはもうしません)
結局、「超ジイ」は220円を払ってお帰りになりました。
マヂ二度と来んな。
そんなことを思った昼下がりでございました。
ああ、冷やし中華食べたいなあ。
圧倒的ゴマ派ですが、醤油レモンも捨てがたい浮気者でございまっすうううう。
もちろん『超ジイ』をトッピングのハムにしたいとか思ってはおりません。
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