3人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
学校七不思議:科学室の幽霊さんとの遭遇
残暑が残る9月の帰り道、右手に蒸れるような不快感を感じながらもそれを上回る幸せを感じながら歩く。
「ねえー、湊。今週の土曜日は暇」
「んー、俺は大丈夫だけど藤倉はバイトとか大丈夫なの」
「その日は休みなの〜! 私気になってたカフェあるから行かない? 湊も気になってたっていう映画あったよね」
「あー、あの新作ね」
「そう、それ。それを見に行った後にカフェ行く感じで」
「了解」
「久しぶりの1日デートだね。すっごく楽しみ〜」
そう言って俺の彼女の藤倉が俺の右腕にギュウッと抱きついてくる。何度も思うが、綺麗目な見た目をして普段釣れない態度をしていることが多い彼女がこうして俺に甘えてくれるのはすごく可愛らしい。
例の如く蒸し暑くなるが、それすらも好ましく思えてきてしまうのだから「恋の力」というのは素晴らしい。
最初のコメントを投稿しよう!