誰よりも強い少女

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誰よりも強い少女

 ――春。  ――桜が、咲き誇る頃。  ――あの鳥居をくぐれば、彼女がいる。      *** 「だから、そんなことして恥ずかしいと思わないの?」  三月中旬、しいんと静まるクラス。  腹を立て、お互い睨み合う少女が2人。  僕のクラスの大峰弥生(おおみねやよい)は、誰よりも強い少女だ。  悪口、いじめ、暴力。そんな物にうんざりしている人は沢山いる――だがしかし、ちゃんと注意出来る人はそう多くはないだろう。  しかし、大峰さんは違う。  大峰さんはそういった悪質なことを一切見落とさない。  自分は嫌われてもいい。それくらいの勢いで彼女は自分の正義を貫いている。  簡単そうに見えて、誰にもできないことだった。  でも、彼女には――。
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