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その後、横川さんと30分程度話をして別れた。
その話の中でわかった事が幾つかあった。ホテルのオーナーは高齢で現在85歳であること、今は会長職に就いていること、1986年に起きた名画盗難事件は京都国立近代美術館であること等々・・・」
「壮太、どう思う」
「なんだか大きな事件が絡んでいそうな気がするよ」
「俺もそう思っとったんだ、でも俺達には関係ないやろう」
「お前はいいなぁ~いつも楽観的で」
「まあな、そうじゃなきゃ人生やってられへんよ。ところで腹減れへんか?」
「はぁ、マジですか」
「料理は確かに美味かった、そやけども、上品すぎてさぁー
ボリュームないし、なんか足りなくねェー」
「確かにそれは言える」
「コンビニ寄って夜食買わないか」
「そうだな、そうするか」
そして僕らは部屋に戻る前に、一度ホテルを出て近所のコンビニによることにした。
コンビニで夜食を物色していると、
「おい、また会ったなぁ」
浩二だ。
「なんだ、びっくりするな、バイトしまいか」
「ああ、腹が減ったからちょっと寄った」
「そうだ、ちょっと聞きたい事があるんだ、教えて欲しいだ」
「そうだそうや。よし、お前の買い物は俺が奢る」
浩二は何が何だかわからぬままに、哲也に押し切られてしまった。
コンビニのイートインでコーヒーを飲みながら、宿題の話を全て聞き出す事が出来た。
「おい、お前たちさぁーそのバイト怪しくないか?その横川って奴は刑事か探偵ぽくないか、あるいはそのさかしま。泥棒」
「調査会社の人だから、そんな様なもんじゃないの」
「避難経路にしろ、業者搬入口にしろ、裏導線を調べるなんてコソ泥みたいだ」
「確かにそうだけど、あれ位のホテルになると、お客目線で見ると大事な要素なんじゃないの」
「浩二さぁ、ホテルのオーナーには会ったことあるのか?]
「いや、ないよ。高齢でほとんど運営とかには関わってへんらしい。それと、さいぜん話しとった昔の絵画盗難事件やけども、関係者の間では有名な話らしいよ、僕も一度聞いたこと聞いたことがある」
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