【1日目 8月1日】

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その後、横川さんと30分程度話をして別れた。 その話の中でわかった事が幾つかあった。ホテルのオーナーは高齢で現在85歳であること、今は会長職に就いていること、1986年に起きた名画盗難事件は京都国立近代美術館であること等々・・・」 「壮太、どう思う」 「なんだか大きな事件が絡んでいそうな気がするよ」 「俺もそう思っとったんだ、でも俺達には関係ないやろう」 「お前はいいなぁ~いつも楽観的で」 「まあな、そうじゃなきゃ人生やってられへんよ。ところで腹減れへんか?」 「はぁ、マジですか」 「料理は確かに美味かった、そやけども、上品すぎてさぁー ボリュームないし、なんか足りなくねェー」 「確かにそれは言える」 「コンビニ寄って夜食買わないか」 「そうだな、そうするか」 そして僕らは部屋に戻る前に、一度ホテルを出て近所のコンビニによることにした。 コンビニで夜食を物色していると、 「おい、また会ったなぁ」 浩二だ。 「なんだ、びっくりするな、バイトしまいか」 「ああ、腹が減ったからちょっと寄った」 「そうだ、ちょっと聞きたい事があるんだ、教えて欲しいだ」 「そうだそうや。よし、お前の買い物は俺が奢る」 浩二は何が何だかわからぬままに、哲也に押し切られてしまった。 コンビニのイートインでコーヒーを飲みながら、宿題の話を全て聞き出す事が出来た。 「おい、お前たちさぁーそのバイト怪しくないか?その横川って奴は刑事か探偵ぽくないか、あるいはそのさかしま。泥棒」 「調査会社の人だから、そんな様なもんじゃないの」 「避難経路にしろ、業者搬入口にしろ、裏導線を調べるなんてコソ泥みたいだ」 「確かにそうだけど、あれ位のホテルになると、お客目線で見ると大事な要素なんじゃないの」 「浩二さぁ、ホテルのオーナーには会ったことあるのか?] 「いや、ないよ。高齢でほとんど運営とかには関わってへんらしい。それと、さいぜん話しとった昔の絵画盗難事件やけども、関係者の間では有名な話らしいよ、僕も一度聞いたこと聞いたことがある」
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