朗読BAR

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朗読BAR

「ああ、今日も疲れたなあ…。明日は休みだし、一人飲みでもするか?」  夜遅くに、仕事が終わり、飯より酒が恋しくなった俺は繁華街の路地を曲がる。すると何やら怪しげで、興味を惹かれる看板があった。 「朗読BARサンクチュアリ? 変わった名前のバーだな。どう言う店だ? ただのBARなのか? それとも……」  少しその名前に違和感と興味深さを感じ……。 「いっちょ行ってみるか」足はそのBARへと向いていた。 カウベルを鳴らし店内に入った。  中は意外広く、賑わいを見せ、軽快な音楽が鳴り響く。  そして薄暗い店内にバーテンダーの声が響く。 「いらっしゃいませ。お客様は当店初めてですね?」 「あっ、ああ、そうだが……ここはBARなのかい?」 「ええ、ここは朗読BARと行って、朗読を楽しむバーです!」 「朗読!? 今時珍しくないか?」 「ええ、流行りはしないですけど、廃れもしません。聞けば、今宵はいい夢が見れますよ!」 「そっそうなの?」 「ええ、結構お客様に評判ですよ!」  何だか怪しい感じがしたが、そのバーテンの言葉に少し興味が湧いた。 「お客様もいかがです?まだ少しですが、空きはありますよ?」 「あっ、ああ、ありがとう」 「では、奥の席、朗読席へどうぞ!」  ものは試しってことで、バーテンの指示に従った。  何やら本を片手に一人の女性が現れた。数名の客が並ぶ席の前にたち、その女性は会釈をして、語り部と言って物語を話し始めた。  酒が回って来たのか、それともその朗読が心地いいのか、急に眠気に襲われる。どうしようもない眠気にバーテンに会計を指示しようとしたら………。  気づけば朝……。自宅のベッドの上でぐっすり眠っていたようだった。  妙にすっきりとしていて、昨日の疲れなど何処へやら。  昨日どうやって朗読BARから戻ったかなど覚えていなかったが、この心地よさはとてもいいと思い、今日も出先の帰りにあの朗読BARに寄ることに決めた。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ youtubeチャンネル、毎週木曜日21時更新。 「語り部朗読BAR|北条むつき」にて 「朗読BAR物語」の朗読動画絶賛公開中! 下記リンクよりご覧いただけます。 https://youtu.be/judLxLN2WUw
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