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遊びの女(チカ編)
「私は、あなたの何? 答えな! 尚!」
あれだけ大切にされて、あれだけ一緒に楽しい日々を過ごしたはずなのに……。そんな趣味があるなんて。
千佳は、尚に叫び続けた。尚は、アスカに見向きもせずに、立ち去ろうする。千佳は悔しくて、悲しくて、堪らずに叫び続けた。
「どういうつもりよ。あんた幾つなの?」
千佳は叫んだが、その叫びは尚には届かなかったのか、尚と千佳との距離は更に広まった。尚もこの千佳の叫びが聞こえていないはずはない。だが、尚は、千佳の足を止めることは出来なかった。
「千佳ーー! ごめん、俺、俺はアスカのこと遊びだよ」
それでも、尚の声は千佳には届かなかった。先を歩く千佳が尚に振り返り、声をかけた。
「なあ尚? 尚は、大人の男性だろ? フィギアなんかは卒業しないと、千佳はもう付き合えんわ」
「ごめん。俺、フィギアのアスカより、千佳が好きだ。もうアスカでは遊ばんよ」
「いや、尚、あんたキモいし、その趣味あること知ってたら付き合わんかった」
「そうか。千佳ごめんな。隠してて……」
尚……。やっぱり私は、遊びの女だった? でも違うよね。そのフィギアは、あんたのことなんて何とも思ってないはずなのに。
それでもあなたは私のことが好きだなんてよく言えるね。あんた本当にバカ?
アスカは、尚の腕に抱かれたまま尚の千佳の方を向いていた。
「さよなら、尚。ずっと二次元の女に恋してろ!このクズが」
ほぉーら、私の方が上ね。生身に勝った。惣流・アスカ・ラングレーは勝ち誇って笑った。
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