百日草って今はジニアって言うのね

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母の日に息子が来た お母さん、いつもありがとう、これっ 何色も寄せ植えされているカーネーションのカゴを差し出しながら笑顔でやって来た 元気な顔を見せてくれるだけで何にもいらないと思う 私が小さい頃、お金だって持っていなかった頃から母に何が欲しい?と聞くと決まってなんにもいらないよと言っていた 大人になったあともいつもそう言っていた 母は花が大好きでタネを蒔いては水をかけてささやかだけど咲かせて綺麗だねと言っていた 特に朝顔を金網に絡ませて咲かせて夏休みの絵日記にしたらなどと言っていた その横には、いつも百日草の花が綺麗に咲いていた 子ども心に赤、白、ピンク、黄、オレンジの色にワクワクしあわせを感じたりしていたものだ 母は自分の昼休みを削っても水をあげていたことがいまでも印象的で かわいそうにしおれちゃってるよぉと言いながら 夏は今のように35度などにならなくても30度でもかなり暑かったような記憶がある 当時は春夏秋冬がはっきりあったのも良かった
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